近年、日本の70年代、80年代のポップスシーンが見直され、当時発売されたレコードが日本はもとより、海外でも高値で取引されていることをご存知でしょうか?
レコード人気が再燃している理由にまず、CDやデジタル音源のような機械的な音よりアナログの温もりのある音を好むリスナーが増えたことがあげられます。また、レコードジャケットのアートワークも含めて物としての価値も高まっています。
初心者リスナーの方も増えており、レコード店でレコードを探す若者もよく見かけるようになりました。
そんなレコード聞くために必要な物の1つにレコード針があります。とても精密で繊細そうなこのレコード針。レコードを聴くためにとても重要な役割を担っています。
最近では、オークションサイトやフリマサイト、またリサイクルショップでレコードプレーヤーを見かけることが多くなりました。値段が安いものなどは、その肝心なレコード針やカートリッジが付いていないものもあり、初心者の方は悩まれることがあるようです。
そんなレコード針について、DJ的視点で徹底調査いたしました。
それではいってみましょう!
レコード針の役割
レコード針は、DJにとって非常に重要な役割を果たしています。その要件や役割について見ていきましょう。
◆正確なトラッキング
まず重要なことの1つに、正確なトラッキングができるレコード針であるかということが大切です。トラッキングは、針がレコードの溝を正確にたどり、安定して音楽を再生する能力を指します。正確なトラッキングは、スキップや飛びを最小限に抑え、一貫性のある再生を実現します。
◆音質再生能力
根本的にはレコード本体の音質というところが一番重要ですが、そのレコードの音質がしっかりと再生できるレコード針を使うことが大切です。レコード針は、音楽の微細なディテールやダイナミクスを再現する能力が求められます。音楽の表現力を最大限に引き出し、鮮明で豊かな音響体験を提供するために、針の音質再生能力は重要な要素となります。
◆スクラッチやミックスに適した特性
DJの場合、スクラッチやミックスというパフォーマンスを行いますが、それにより通常、音楽を聴く以外の性能や耐久性が必要となります。
スクラッチDJは、高いトラッキングフォースと優れた追従性が必要です。これにより、素早いスクラッチやターンテーブリズムが可能となります。一方、ミキシングDJは、正確な音楽のブレンドやトランジションを実現するために、針のトラッキングスキルと安定性を重視します。なお、DJは、長時間のパフォーマンスや頻繁な使用に耐えるレコード針を必要とします。
耐久性と信頼性は、針の寿命を延ばし、一貫したパフォーマンスを保つために重要です。また、交換可能なスタイラスや針先が利用できることも、経済的で効率的な選択肢を提供します。
レコード針は、DJにとって非常に重要な道具であり、パフォーマンスの質や音楽の表現力に大きな影響を与えます。そのため、DJは自身のニーズやスタイルに合った針を選ぶことが重要です。次の章では、異なるDJ向けのレコード針の種類と特徴について詳しく見ていきます。
DJ向けレコード針の種類と特徴
DJ向けのレコード針には、さまざまな種類があります。それぞれの特徴やトラッキング能力、音質などを比較し、自身のニーズに合った針を選ぶ際の参考にしてください。
- スクラッチ針
スクラッチDJ向けの針は、高いトラッキングフォースと耐久性を備えています。スクラッチやターンテーブリズムにおいて、素早い動きや激しいスクラッチングが可能となるよう設計されています。また、音飛びを最小限に抑えるために、追従性も重視されています。 - ミキシング針
ミキシングDJ向けの針は、正確な音楽のブレンドやトランジションを実現するための特性を持っています。トラッキング能力と安定性が重要であり、音楽の細かな変化を正確に再現することが求められます。また、低ノイズレベルや高い音質再生も重視されます。 - クラブ向け針
クラブでのパフォーマンスに適した針は、高い出力レベルと音質再生能力を備えています。大音量での再生に耐えることや、低周波数の再現能力が求められます。また、トラックの重厚なベースラインやドラムビートを強調するための特性も重視されます。 - オーディオフィール針
オーディオフィールDJ向けの針は、高い音質再生能力が特徴です。細かな音楽のディテールやダイナミクスを忠実に再現し、音楽の表現力を最大限に引き出すことができます。音楽鑑賞やクリエイティブなミックスに重要な要素となります。
これらの針の選択は、個々のDJのスタイルや好みに合わせて行う必要があります。自分のDJスタイルや演奏環境に合った針を選ぶことで、より高品質なサウンドとパフォーマンスを実現できます。
各メーカーにおいて目的によってバリエーションが出ています。購入前に使用する場面を考えてどれが適しているか検討が必要です。
次の章では、レコード針を選ぶ際に考慮すべきポイントについて解説していきます。
レコード針の選び方
DJがレコード針を選ぶ際に考慮すべきポイントを解説します。以下の要素を理解し、自身のDJスタイルや好みに合った針を選ぶためのガイドラインとして参考にしてください。
- トラッキングフォース(針圧)
レコード針のトラッキングフォースは、針がレコード盤の溝を追従する力を指します。適切なトラッキングフォースを選ぶことで、音飛びやスキップを最小限に抑えることができます。一般的に、スクラッチDJでは高いトラッキングフォースが必要ですが、ミキシングDJではより軽いトラッキングフォースが好まれますが、DJ中の針飛びなど最悪な事態を招かないためにもこのトラッキングの性能が大切です。 - コンプライアンス(柔軟性)
レコード針のコンプライアンスは、針の柔軟性を示します。柔らかいコンプライアンスの針は、レコード盤の微細な振動やノイズを吸収しやすくなります。ハードなコンプライアンスの針は、より正確なトラッキングを可能にする一方で、振動やノイズの伝達が多くなる傾向があります。コンプライアンスの選択は、音質とトラッキングのバランスを考慮しながら行う必要があります。 - 音質(周波数のレンジ:幅)
レコード針の音質は、再生される音楽の忠実度やクリアさに影響を与えます。高品質な針は、広い周波数レンジをカバーし、音楽のディテールやダイナミクスを正確に再現します。また、ノイズや歪みを最小限に抑えることも重要です。自身の好みや演奏スタイルに合った音質を重視して針を選ぶことが大切です。
HIPHOPやHOUSE、TECHNOなどの電子音やJAZZ、SOUL、FUNKなどの生音系の音楽などジャンルによって音の雰囲気やレコードの状態などによっても出音は異なります。個人的には、生音系は低音が聞いているほうがクラブなどでは聴き心地が良いです。それぞれ個人的な好みもありますので、そこはレコード針選びの1つの基準にしても良いかと思います。 - 価格
レコード針の価格は、予算とのバランスを考慮する必要があります。高価な針ほど高性能である傾向がありますが、予算に合わせて選択することも重要です。一時期、レコード針やカートリッジも安い時代がありましたが、現在、価格が高騰しております。さらに、最近のレコード市場の過熱によりレコード針の供給が追い付いていないため、当時のレプリカ品が専門メーカーから発売されるとすぐに売り切れ入荷待ちになる状態になっています。
価格も以前より高くなり、さらに手に入りにくい状況も考えられますので、事前に情報を集め、じっくりと選定することが大切です。ネットフリマサイトでの中古品は比較的安く手に入る点や廃盤のモデルが購入できますが注意が必要です。針先が痛んでいたり、カートリッジが断線していたりなどトラブルもあるので、よく確認して購入する必要があります。
- レビューや評価
専門家のレビューやDJコミュニティの評価を参考にすることも有益です。特定のレコード針のパフォーマンスや信頼性についての情報を収集し、実際の使用者の意見や経験を知ることで、適切な選択ができます。オンラインのフォーラムやレビューサイトでの情報収集を行いましょう。 - ブランドの信頼性とサポート
レコード針を製造するブランドの信頼性も重要な要素です。有名なブランドや確立されたメーカーは、品質の高い針を提供することが期待できます。また、ブランドのサポートやカスタマーサービスが充実しているかも確認しましょう。製品保証や修理サービスの提供があると、長期的な満足度を得ることができます。 - デモンストレーションや試聴
可能であれば、実際にレコード針をデモンストレーションしたり、試聴することが望ましいです。店舗やイベントでの試用や試聴は、針の性能や音質を直接体験する機会を提供します。自身の感覚や好みに合った針を選ぶために、実際に使ってみることをおすすめします。
以上が、レコード針を選ぶ際に考慮すべきポイントです。自身のDJスタイルや好みに合わせて、正確なトラッキング、音質再生、スクラッチやミックスに適した特性を持つレコード針を選びましょう。
レコード針の取り扱いと保護
レコード針の適切な取り扱いと保護方法にはいくつかのポイントがあります。以下では、初心者にもわかりやすく具体的な解説を行います。
◆針の取り付けと取り外し
- レコード針を取り付ける前に、プレーヤーの電源を切り、アームをリフトアップします。
- 針をケースから取り出し、針先を触らないように注意します。指で触れてしまうと、汚れや油分が針に付着し、音質やトラッキングに影響を与える可能性があります。
- アームのカートリッジ部分に針を取り付けます。針が正しくカートリッジに固定されていることを確認し、しっかりと固定します。
- 針の取り外し時にも同様に注意し、指で触れずに慎重に行います。
◆クリーニング方法
- 針のクリーニングは定期的に行うことが重要です。専用の針ブラシを使用して、針先に付着したホコリや汚れを軽くブラッシングします。ただし、力を入れ過ぎないように注意しましょう。
- 汚れが頑固な場合は、専用の針クリーナーを使用することができます。クリーナーを針先に軽く触れさせ、汚れを取り除きます。ただし、クリーナーを使用する際も優しく行い、針を傷つけないように注意しましょう。
専用の洗浄液も出ています。湿式と粘着式のものがありますが、湿式で代表的なものが、NAGAOKAのレコード洗浄液ハイクリーン。比較的買いやすい値段で針先に塗るだけで針先の汚れが除去できます。音質もクリアになるので、ぜひ試してみてください。
オーディオテクニカの粘着式針先クリーナーはゲル状になっているので、それに数回針先を当ててください。
個人的には湿式のほうが使いやすいです。
◆保管時の注意点
- 針を保管する際には、ケースや保護カバーを使用しましょう。針を直接触れることや、他の物と接触することを避けることが重要です。
- 保管時は、針を水平に保つことが望ましいです。針を傾けた状態で保管すると、針先やスタイラスに負担がかかり、寿命が短くなる可能性があります。
DJは複数のカートリッジ・針を、持ち運びもしますのでカートリッジごと収納できる専用のケースも販売されています。こういったもので大切に保管・持ち運びすることも非常に大切です。
これらの取り扱いと保護方法を守ることで、レコード針の寿命を延ばし、音質を維持することができます。初めての方でもこれらのポイントに気をつけながら、レコード針を扱ってみましょう。
レコード針の音質とパフォーマンス
コード針の音質は、DJパフォーマンスにおいて非常に重要な要素です。以下では、トラッキング能力、ノイズレベル、周波数応答など、音質面での比較や実際の使用経験に基づく解説を行い、DJが高品質なサウンドを追求するためのポイントについて詳しく説明します。
- トラッキング能力: レコード針のトラッキング能力は、針がレコードの溝を正確に追い、安定した再生を行う能力を指します。高いトラッキング能力を持つ針は、激しいスクラッチやバックキューなどのテクニックにおいても正確な音の再生が可能です。DJとしてパフォーマンスを行う際には、トラッキング能力の高い針を選ぶことが重要です。
- ノイズレベル: レコード針のノイズレベルは、針がレコードの溝から音を取り出す際に発生するノイズの量を指します。ノイズレベルが低い針は、クリアでクリーンな音を再生することができます。特に静かなパッセージや低音域の音楽を再生する場合には、ノイズレベルが抑えられた針を選ぶことが音質向上につながります。
- 周波数応答: レコード針の周波数応答は、針が再生できる音の周波数範囲を示します。広い周波数応答を持つ針は、低音から高音まで幅広い音域を正確に再現することができます。DJがさまざまなジャンルの音楽を演奏する場合には、周波数応答の広い針を選ぶことで、音楽のニュアンスや表現力をより豊かに再現することができます。
音質とパフォーマンスは、DJが表現する音楽の質を左右する重要な要素です。レコード針を選ぶ際には、トラッキング能力、ノイズレベル、周波数応答などを考慮し、自身の音楽スタイルや好みに合った針を選ぶことが大切です。
レコード針の特殊な要件:スクラッチDJ向け
クラッチDJ向けのレコード針には、特殊な要件が求められます。以下では、スクラッチテクニックにおけるトラッキングスキルや精度の重要性を説明し、スクラッチDJに最適な針の選び方や特徴について詳しく解説します。
- スクラッチテクニックの特殊な要件: スクラッチは、レコードを素早く操作し、音の断片やリズムを作り出すテクニックです。スクラッチDJは、正確なトラッキングと高い精度を要求されます。針がしっかりとレコードの溝にフィットし、正確に音を再生することが重要です。また、スクラッチの際には、針が安定してトラッキングを維持できることも求められます。
- スクラッチDJに最適な針の選び方: スクラッチDJ向けの針は、高いトラッキング能力と耐久性が求められます。トラッキング能力が高い針は、素早い動きや激しいスクラッチに対応できるため、正確な音の再生が可能です。また、耐久性のある針は、頻繁な使用や激しいスクラッチにも耐えることができます。
- 特徴的な針のデザイン: スクラッチDJ向けの針には、特徴的なデザインがあります。例えば、針先が丸くなっている”スリップマット”や、強力なトラッキング力を持つ”スタビライザー”などがあります。これらの特徴的なデザインは、スクラッチテクニックをサポートし、より正確な操作性を提供します。
スクラッチDJは、高度な技術と正確なトラッキングを要求されるため、適切なレコード針の選択が重要です。スクラッチに特化した針は、高いトラッキング能力と耐久性を備えています。スクラッチDJの皆さんは、自身のスタイルや好みに合った針を選び、スクラッチパフォーマンスの向上に役立ててください。
次の動画は1990年のDMCワールドチャンピオン(DJの世界大会)で優勝したドイツのDJ Davidのウィニングセットです。レコード針のトラッキング能力が高くないとこのようなパフォーマンスは実現できません。手でレコードをたたくようにスクラッチしたり、肘でスクラッチをしたり、ぶっ飛んでいます。この状態でも針がスキップしないのはレコード針のトラッキング能力が高い状態でのパフォーマンスだと言えます。ほんとにぶっ飛んでますので、良かった是非ご覧ください。ミキサーの配置も独特ですよね。
次もDJ Davidです。ほんとレコードをいじめ倒すようなプレイは良い意味でぶっ飛んでいるとしか言えません。ターンテーブルがなぜか二階建てのようになっていたり、傾けて置いたりなど、もう、通常のDJの常識を超えて、異次元に行っているかのようです。決して早回しではありません。ターンテーブルを重ねてる意味は、DJ歴25年の私もまだ理解できずにいます。
DJ DAVIDについては、詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
おすすめのDJ用レコード針メーカー
様々なメーカーがありますが、現在製造中止で廃盤となり手に入らないものも多く、中古市場でも価格が上がっております。以下、個人的に実際使ってみて良かったメーカーをご紹介します。
・SHURE(シュアー)
「SHURE」はアメリカの音響機器メーカーで現在はヘッドフォンやその他音響機器に力を入れておりますが、もともとはラジオ製造から始まり、レコードのカートリッジやマイクを製造していたメーカーです。このメーカーのM44シリーズのカートリッジとレコード針がDJ初心者のスタンダードと言われており、1990年代、2000年代にDJを始めた方はほとんどこの針だったのではないでしょうかと思います。様々なジャンルに適合し、またトラッキング性も高く、価格帯も求めやすかったため、当時のDJのベーシック・スタンダードな針であったと言えます。
現在は製造中止となっているため、中古品しかありませんが、後程紹介するメーカーJICOからもM44に近づけたカートリッジやレコード針が販売されています。
・ortfon(オルトフォン)
「ortfon」はデンマークの音響機器メーカーです。現在でもレコード針、カートリッジを製造しているメーカーです。有名なレコード針は「Concorde(コンコルド) Pro/OM Pro」シリーズです。このシリーズはもともとDJ用に設計されてり、特徴としては、シェル一体型で形状がスタイリッシュ、またバリエーションが豊富なところが他のメーカーと異なります。現在でも製造・販売しておりますので、価格帯は少し高いですが手に入りやすい商品であると言えます。
以前、ortofon Concorde Night Clubを使用しておりましたが、クリアな音質でクラブなどで使用しても、音は大きくても耳に負担の少ない音質な印象でした。
・JICO(ジコー 日本精機宝石工業株式会社)
歴史は古く1873年創業で当時は縫い針を作っていたようです。1949年に蓄音機用の針を製造し、そこからは主にレコード針を中心に製造しております。本社が兵庫県美方郡新温泉町という日本海側にあり、従業員数57名の小さな会社です。N44シリーズの適合品をいち早く手掛け、SHUREのN44シリーズの愛好家達は、正規品が販売中止になった今、この適合品に頼るしかありません。カートリッジも復刻版を製造・販売しております。
・NAGAOKA
もともとは時計の針を製造していた会社で1950年から蓄針の製造を始める。レコード針についてはTOPシェアを誇り、様々な種類のカートリッジ、針を製造・販売しております。GD63-44G(廃盤)というSHURE N44シリーズの適合品を販売しておりましたが、2023年にリニューアルしDJ-44Gが販売され、すぐに完売しております。JICO同様DJに向けて企画してくれるところはDJにとってもありがたい限りです。それ以外にもアクセサリー商品を多数販売しており、クリーニング用品、レコード保護袋、スタビライザーなどレーコード愛好家向けの商品も製造・販売しております。
おすすめのDJ用レコード針
◆SHURE(シュアー)
【N44‐7、N44G】
このカートリッジ・レコード針はDJのど定番といえるでしょう。当時は値段も安く交換針が2つで1万円もしませんでした。当時のDJセットには必ずこのカートリッジが使用されていました。このカートリッジは1963年に通常のオーディオリスニング用のカートリッジとして販売されました。DJ用として発売されていた物ではありません。
当時は今とは違い、DJ用としてのカートリッジなどは販売されておらず、手に入りやすいカートリッジの中でもDJの過酷な環境に耐える物としてこのM44-GやM44-7を使用する事が多くなったようです。価格も手ごろだったことで瞬く間にDJ用として認知されました。トラッキング性も高く、スクラッチや頭出しで針が飛ぶことがありません。耐久性も高く、長い間、DJに愛されたレコード針です。現在は中古のみの販売となっているようです。
◆ortfon(オルトフォン)
【CONCORDE MIX】
デザインがスタイリッシュでバリエーション豊富な「CONCORDE」シリーズ。このなかでも一番初心者が扱いやすいのがこの「CONCORDE MIX」。音質についても様々なジャンルに対応し、バランスが良く、トラッキング性も高いので、この「CONCORDE」シリーズの中でも最も標準的な仕様かと思います。
【The ORTOFON VNL】
この針はとにかくスクラッチDJにお勧めです。激しいスクラッチやバックスピンへの耐性があり、通常再生時でも高い追従性を実現しており、出力と音質もバランスが良いです。針もⅠ~Ⅲの3種類ありそれぞれに特徴があるため、カートリッジはそのままで針を交換することで音質が変わるといった面白い仕掛けもあります。初回限定パッケージには3種類の針が付いていたようですが、現在発売されているパッケージにはⅡが付属されているようです。
このカートリッジは、スクラッチしても針が飛ばないことが大きな特徴ですが、実際の画像がありました。ご覧ください。ほんとに飛ばないですね!
◆JICO
【J44D、J44‐7】
SHUREのN44-7、N44Gの復刻版でメーカーの商品紹介ページに以下の記載がありました。
SHURE社をリスペクトし44モデルを愛好されている方々に向けて、これからもJICOが存在する限り、44モデルカートリッジ及び交換針を作り続けます。
オリジナルヘッドシェル付きカートリッジ 「OMNIA」発売開始! | JICO 日本精機宝石工業株式会社
とても力強いお言葉!愛好家たちにはたまりません!JICO様様です。
ということでこの復刻版ですが、プロDJ諸氏曰く、とても近い状態で復刻できているようです。J44-7については、あのもこもことした感じ(生音系DJが好きな音)も再現されているとのこと。状態の良い正規品はなかなか手に入らないので、こちらを使用されても全く問題ないと思います。実際のJICOのサンプル映像がありました。音質良いですね!
DJ専門楽器店のオタレコのチャンネルにもありました。少々長いですが、スクラッチプレイのトラキング性も確認しております。19:00から音質、スクラッチ確認しています!
レコードの購入先
以下で購入可能です。
- 大型電機店(ビッグカメラ、ヤマダ電機、joshin、エディオンなど)
- DJ機器専門店など
- 個人店舗(楽器店など)
- ネット(楽天、Amazon、大型電機店のネットモールなど)
- リサイクルショップ(中古のみ、たまに新品未使用あり)
都市部は大手電気店や専門店で購入することが可能です。地方については、以前は、楽器店などでも販売されておりましたが、ここ最近は取り扱っている店舗も少なくなりました。ハードオフなどの中古店でも販売されていることがありますが、状態が不明なことが多く失敗する可能性があります。地方の場合は、ネットで購入するのが1番なのではないでしょうか?実際に現物が見れないことが難点ですが、ネットで実際に使用した動画やレビューがありますので、そちらを参考にネット購入するのが買いやすく、保証もある場合がありますので、そちらのほうが安心かと思います。
レコード針のトラブルシューティングと問題解決
DJが遭遇するレコード針に関連する一般的な問題やトラブルについて解説します。レコード針が正常に機能しない場合、スキップやノイズ、不安定なトラッキングなどの問題が発生する可能性があります。以下にいくつかの一般的な問題とその対処法を紹介します。
・スキップについて
スキップとは、針がレコードの溝から飛び越えてしまう現象です。これは針圧が不適切な場合や針先が摩耗している場合に起こります。針圧を調整したり、針先を交換することでスキップを防ぐことができます。
・ノイズ
針やレコードの汚れや埃、接触不良などが原因となります。クリーニングを行ったり、接点部分を清掃することでノイズを軽減することができます。レコードが汚れていたり、痛んでいたり、摩耗していると針側では解消できない問題となります。
・不安定なトラッキング
針がレコードの溝に追従できず、音が途切れる現象です。これは針圧が不適切な場合やトーンアームのバランスが悪い場合に起こります。針圧とトーンアームのバランスを調整することで、安定したトラッキングを実現できます。
これらは一般的なトラブルの一部ですが、実際の問題には個別の要因や解決策が存在する場合もあります。問題を特定し解決するためには、正しいメンテナンスと予防策を実施することで、トラブルを最小限に抑えることができます。
いかがだったでしょうか?新たに購入する方や交換を考えている方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様の素敵なレコードライフを応援します!