レコードコレクターの間で頭を悩ますのがレコードの保管方法です。
レコードはとてもデリケートで様々な要因で聴くことができなくなったり、ジャケットが汚れたりなど購入時の価値が下がってしまうことがあります。
久々聴こうとしてレコードをだすとカビだらけ、ジャケットが傷んでいたり、ほうっていくと取り返しのつかないことになることも・・・
少し気を遣うだけで購入時の状態を保つことができます。
近年のレコード人気をも相まってレコードの価値も上がってきており、購入時の数倍の価値が付くこともあります。
すそんなデリケートなレコードの価値を下げずに保管する方法についてまとめてみましたので、ご紹介します。
それでは行ってみましょう!
レコードの性質
レコードは樹脂でできており熱に弱く、静電気を帯びやすい性質があります。また手で直接触れて取り扱うため、人の手指の油などが直接付着します。またレコードはレコード本体以外にも、ジャケット、その他の付属物(帯、ライナー、歌詞カードなど)が付いています。
それらを含めて傷まないよう7つのポイントに注意して保管することでレコード自体の価値を下げずに購入した状態を保つことができます。
ポイント1:立てて保管する(重ね置きしない)
基本中の基本ですがレコードは立てて保管しましょう。重ねて長期間保管すると荷重がかかり、反りやゆがみの原因になります。反りやゆがみが発生すると、盤の表面が波打ちし、針飛びなどの原因となります。一度反りやゆがみが発生するとなかなか強制的に戻すことができません。さらに荷重がかかると素材によっては割れる可能性もあります。
複数のレコードを重ねた状態で斜めに立てかけるのもあまりよくありません。同じく荷重がかかり、反りやゆがみの原因となります。地面に対して垂直に立ってて置くことが重要です。
重ねた場合、ジャケットにも影響がありますジャケットにレレコードの形状をした跡が残ります。立てておいても若干は跡が残りますが、重ねておくとより緩和されます。
お部屋にスペースがない方は、ボックスタイプやラックタイプもおすすめです!
ポイント2:クリーニングをして保管する
レコードは静電気を帯びる性質があるため、ほこりを吸着しやすい状態になります。また、手指の油や空気中の様々な汚れが付着することによって、盤の表面にカビが発生することもあります。特にDJプレイの跡などは盤面に手を触れる機会が多くなるため、クリーニングは必須と言えます。ほこりが固着するとレコード針も痛めてしまいます。
汚れやほこりの程度にもよりますが基本的には専用のレコードクリーナー液やクリーニングスプレーと専用クロスなどで表面の汚れを軽くふき取るとよいでしょう。ほこりが付着している程度であればレコードクリーナーでほこりを払う程度でもよいと思います。極力、盤面に指紋をつけないよう取り扱うことが重要です。指紋が付着した場合はふき取ってください。
数か月間保管していたレコードを出すと、びっしりとカビが・・・といった経験のある方も多いかと思います。日頃のお手入れが大切です。
クリーニング液やクリーナーは様々な種類があります。取り扱い大手メーカーは以下の通りです。
・NAGAOKA…レコード針の世界№1企業(生産量TOP)
・audio-technica…音と光のクリエーターをモットーに音響機器、映像機器のメーカー
・Jico(日本精機宝石工業株式会社)…レコード針のメーカー。最近ではSHURE製の針を復刻
ポイント3:静電気の発生を防止する(静電気を除去する)
レコードは樹脂でできているため、静電気が集まります。静電気はノイズやほこり付着の原因となるため、できる限り静電気の発生を防止したほうが良いと言えます。
レコードクリーナーの種類によっては静電気の発生を抑えるものもあり、またブラシなども除電効果のあるものもありますので、そういったものを使用することでえ静電気の発生を抑えることが可能です。また、レコードを保管する際に保護の袋に入れることがありますが、そのような袋にも静電防止加工のものもありますので、そういったものを利用するのも良いでしょう。
静電気を防止する方法で除電効果のあるブラシなども利用するとより効果があると思います。Amazonなどで販売されております。
ポイント4:直射日光を避ける
レコードは樹脂でできているため、高温下で長時間保管すると変形することがあります。
DJされる方で夏場、イベントから帰宅後、部屋まで運ぶのが面倒であったためレコードを車中におきっぱなしにしてしまい、大事なレコードが反ってしまったという話を聞いたことがあります。夏場の車中なども非常に高温になるため長時間放置すると影響があります。さらに溝が溶けてしまいノイズが発生することもあります。。
屋内でも季節によって西日が長期間当たるなどの場所にある場合は注意が必要です。できる限り、直射日光が当たらないように置き場所なども注意が必要です。また太陽光の紫外線などによってジャケットが日焼けや変色することがありますので、そちらも併せて気を付ける必要があります。
レコードは非常に熱に弱いため、直射日光の当たらない場所で保管してください。
ポイント5:外気温に近い場所を避ける
外気温に近い場所に置くと、特に冬場など暖房がきいている部屋内部と外部の気温差によって結露が発生することがあります。冬場よく窓ガラスについている水滴のことです。
レコードは湿度に弱いため、外気温に近い場所に保管すると、それが原因でジャケットやセンターラベルにカビが生えたり、また、レコード盤面にカビが生えやすくなります。いったんカビが生えるとジャケットやセンターラベルなどは除去することが難しく、盤面に固着した状態になると音質にも影響し、また除去するのが大変です。
保管する際には清潔で温度変化が少ない場所が最適です。逆におしいれや窓際などは最悪な場所といえます。
ポイント6:保護袋にいれて保管する(アウター&インナー)
購入時に付属していることがありますが、12inchやフリマアプリなどでこうにゅした場合は、この保護袋が付いていない場合もあるかと思います。そういった場合は、必ず保護袋を活用しましょう。
まず外袋ですが、ジャケットを擦れや汚れなどから守るだけではなく、湿気からも守ることができます。裸のまま保管したものと袋に入れて保管したものだとジャケットの傷み具合に大きく差が出てしまいます。外袋に入れたほうが購入時の状態を維持することができます。
内袋(インナースリーブ)については、紙タイプとポリ袋タイプのものがあります。レコードの盤面を守る大切なものなのえ保管する場合は必ず必要です。これが無いと、レコード盤面の擦れ、キズなどレコード自体が傷んでしまい、音質、盤質を著しく下げてしまいます。これによってレコード自体の価値も大きく下がります。保管する上でインナースリーブは必須と考えましょう。湿度からも守ります。無くしてしまった場合は専門店などで購入することができます。
保護袋(外袋、内袋)は、形状、厚みも様々で、静電気防止の素材やUVカットなど機能素材を使用したものも販売されておりますので用途や使いやすいものを選びましょう。
レコードの保護袋を製造しているメーカーになります。
・GRANPRO
・NAGAOKA
・田口化成
様々な種類があるのでサイズや厚みなど用途に応じて確認して購入下さい。
専門店がない場合は、楽天やアマゾンでも販売されています!
ポイント7:帯、ライナー、歌詞カードなどの付属品を大切に!
海外のレコードであはほとんど見られませんが、国内の中古のレコードには必ずといってよいくらいこの「帯」がついております。帯とは日本特有のものでレコードの説明やキャッチコピーなどを記載した広告のことでレコードに巻き付く形で付いています。同じレコードでもこの帯が付くものと付かないものでは買い取り価格が倍以上異なる場合があります。国内盤の場合は、この帯は大切に保管していたほうが良いでしょう。
一部のマニアの間では帯だけでも高値の取引がされる場合があります。ただ、保管上、棚から出し入れする場合やDJのように持ち運びする場合は、必ずと言ってよいくらいひっかかり破けてしまいます。安全策として帯だけ別保管しとくとよいでしょう。
レコードには、ライナーノーツや歌詞カード、またポスター、オリジナルインナースリーブなど付属している場合があります。そういった購入時に付属しているものも大切に保管しましょう。入れたままにしていると、出し入れする際にシワが付いたり破れてしまうことがあります。帯と同様に別保管しておくのが良いでしょう。自宅でゆっくり聞くリスナーの方は出し入れ時に取り扱いに注意すれば問題ないと思いますが、DJの方や自宅から持ち出す方は別にしておいたほうが安全です。
プロのアナログ専門のDJの方の有名な話でジャケットも傷んでほしくないため、ノーマルのスリーブに入れ替えて持ち運んでいたという話を聞いたことがあります。
帯もレコード、ジャケットと同じように大事な付属品になります。最近再発されている和物レコードなども昭和レトロの再燃で帯をつけて販売されております。また、帯があるのとないのではものによりますが買取価格が10~30%さがります。場合によっては50%も下がることがありますので、大事に保管して下さい。
いかがだったでしょうか?レコードは取り扱い、保管方法など手間がかかりますがそれだけ愛着がわきますし、レコードが放つ独特の音質、温かみのある音質というところが本当に魅力だと思います。
皆様も大切なレコードと末永くお付き合いできますよう大切にして頂けたらと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
それでは良いレコードライフを!
↓押し入れで眠っているレコードを査定に出してみてはいかがでしょうか?